フィクションです。
結局諦めが悪いということなんだわ。
「能力ないし才能の天井」という言葉は昔読んだ漫画の中の大人たちがまだまだ成長途中の少年主人公たちに未来を託しているような場面で扱っていて、ときどき頭の中にチラついて来るから忘れることにしている。
僕も最早アラサーどころかサーといったところで、平均寿命に対すれば残り時間も半分に迫る勢いになってきていて、人生の終盤に向けていろいろ準備をしなきゃいけない中盤真っただ中である。
それにしたって、意志はブレブレ、仕事も熱中できず、家庭も築けてはいない、生物としても社会人ないし組織人としても意識が徹底できていないことを常日頃感じてしまうわけだ。
そうなってくるとそれらのいろいろに折り合いをつけるためにいろいろなことに妥協やら打算やら気持ちにキリをつけていかなきゃならないところにまで来ているわけなのに、どうしてなかなかまだまだ諦めきれていない。
良い表現をしよう。
「僕はまだ夢を見ている」
悪い表現をしよう。
「現実が見えていない」
その言葉はどちらも真実で残酷で呪いのようでいて希望にも感じられる。
はてさて僕はいったいどうしたいのか、どうなりたいのか。
今更になって考えている。考えている。考えている。
どうしたって答えは出そうにないのに。
なんでもかんでも諦めて捨てられちゃえばいいのにね。