取り戻せ語彙力

ちかごろ語彙力の低下を感じるためにリハビリと修行と暇つぶしと現実逃避のためにやってみんとしてするなり

ドラゴンクエストユアストーリーを観たという地獄 ※ネタバレを含めて感想を書きますし、タイトルの通りです

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誰もかれも嬉々として地獄へ向かっていく

私はドラゴンクエストが好きで、ドラクエの発売戦略であるその時に一番勢いのあるハードで発売するという手法に踊らされて新作発売に合わせて新ハードを買うような生活を続けていて、今秋ドラゴンクエスト11Sの発売に合わせてswitchを慌てて購入してみたら性能強化版の発売がアナウンスされて泡を吹いりする程度にはドラゴンクエストシリーズが好きです。

いちばん多くプレイしたので3でしょうか。
いわゆるロト編最終作ですね。SFC版をプレイしましたから性別も仲間もいろいろ選べてやり直すたびに面白かった思い出が強いです。

さて、いま話題のドラゴンクエストユアストーリーを観てきました。
レイトショーかつポイント利用で実質0円での観覧です。
あまり観に行くつもりはなかったのですが、公開後のあまりの評判の悪さに怖いもの見たさが出てきて足を運ぶことになりました。
ラスト15分で着れ散らかす人が続出と言われていて、「そんなことには本当にあるのかな?」と疑問に思ってしまったことが今回の地獄のはじまりでした。

週末に予定があり、その準備を兼ねて有休を取る予定で、前日にレイトショーで観ておくかと調べてみたら20時台で上映がありましたからこれ幸いと足を運んでしまったのです。
いま思えば愚かなことをしたものです。

映画館に入りまして席に着きます。
いわゆる夏季休暇期間のレイトショーの若者のグループや年代広めのカップルやご夫婦と評判のせいか時間帯のせいかスカスカながらもお客さんはチラホラと居ました。
近くに同じ年の頃の男性がビールとポップコーンを持って入ってきたときは、アクション要素なんかがあるのかな?それとも笑いに来たのかな?といった考えが頭をよぎりましたが彼がどのような想いで観に来たのかはわかりませんが私と同じ地獄に片足を突っ込んいたことだけは確かでした。

 

※ここから素直に作品内容を描写していくためこれから観覧予定の人は読むのをお控えください。私としては観覧自体を控えていただいたほうが良いかと思いますが…。

 

新作のCMなどを超えて、作品がはじまります。
初めの場面はまさかのドット絵での主人公の誕生シーン。
この時点ではドラクエを称賛していてこういうファンを喜ばさせるための仕掛けなのかな?と思っていました。
それがただの悪ふざけとも知らずに。

さて、ストーリー以外の部分で語りますと、かなり良かったかな、と思います。
CG技術の発達はすさまじいのだと感じましたし、キャラクターのデザインもよかったです。
特に宿敵でありかつ本作のラスボスであってほしかったゲマに関しては俳優さんの演技もそうですし造形も素晴らしかったように思います。底知れぬ怖さと言いますか不気味さと言いますか。そのあたりが上手く表現されていたと思います。
音楽についてもドラクエ5を下敷きにしながらドラクエシリーズ全体から曲をセレクトしたせいでところどころ思考が混乱はしましたがそこは交響楽団の力の見せ所と素晴らしかったように思います。すぎやま先生ありがとう。
でもなんで上映を止めてくれなかったんだろう。

では、ストーリーに戻ります。
ええ、ドラクエ5のストーリーからエッセンスを取り出して繋ぎ合わして100分程度に詰め込んだことは称賛に値するかもしれませんが、なんというか非常に雑でした。
ドラクエ5を未プレイの方にはかなり不親切だったのではないかな?
ビアンカとの再会は突然すぎたし、そもそも子供時代をスキップしているためあまりにも思い入れが無い中で嫁として選び出すあたりがもう…ねえ?
そもそもがストーリー展開としてはフローラとの出会いと再会の描写はしっかりとしていたため、あ、これはフローラなのか。ビアンカ派としては辛いところだなと思いましたが自己暗示で抜け切ろうと思ったところで、まさかのビアンカへの手のひら返し。
あれはフローラがかわいそうすぎるだろう…と思ったところでのフォローがアレですからね。アンディの描写もないし、あの父親の元だと本作のなかでは幸せなその後をフローラが遅れてたのか気になるところです。

で、だ。
晴れて夫婦となりまして、ドラクエ5の盛り上がりかつ不意打ちイベント勇者誕生!!となるわけですが、双子ではなかった。
ああ、ドラクエ界も少子化核家族化が進んでいるんだな、尺の都合もあるし、ジェンダージェンダー騒いでいる中で女の子カットは英断ですね、しかたないと受け入れました。
で、子供が生まれたら親がひどい目にあるのがドラクエ5ですから、当然襲撃受けるわけですね。
この辺りの勇者誕生~主人公石化~復活!!あたりはよくできていた気がする。
そこそこ観られたし、最終決戦までの勢いもまあまあ良かった。
ミルドラースとはバトらずに天空の剣があくまでキーアイテムとして消費されて完結へ!!素直に向かえば!まだよかったのに!!

ロトの紋章の異魔神のできそこないのあれがでてきてしまったんだよなあ・・・。
ひどすぎて、あの展開はひどすぎて、ほろほろと泣けてしまった…。
ビール飲んでた男性のほうからも嗚咽が聞こえたけど、僕と同じ感情だったのだろうか。

正直、作品名とところどころの登場人物のメタ発言と過度なゲーム表現およびネットにはびこる落胆の声から、読めた部分ではあったんだけど、それにしてもひどい。
これはゲームなんだよ、と言われるのは覚悟していたけど、こんなことしなくてもいいじゃないか。
いや、表現としてはやってくれてもいいんだ。どんな作品だって作る自由と発表する権利はあるからさ。
でもなんでこれをこんなことをよりによってドラゴンクエストでやってしまったんだろうか。
ほかのゲームではだめだったのか。むしろ架空のゲームでやってくれればよい作品。超展開、大どんでん返し、なんて装飾語をつけて受け入れられたように思う。
もともとこれはネットゲームの中の物語ですよーと言われている古い作品だと.hackだとか最近だとSAOとかならぜんぜんよかったと思う。
でもドラクエのナンバリングタイトルでこれはこれだけはやっちゃダメだろうに…。
ドラクエXならまだよかったかもしれないね。
光のお父さんで勘違いしたのかスクウェア・エニックス
なんてひどいことをしてくれたんだよう…。

エンドロールで件のシーンだ出た時に傍観から笑い声が出たぜ。
終わって、明かりがついて頭を抱えてしばらく動けなった作品ははじめてだ。
帰路につくひとみんな苦笑。
外出た瞬間に「二度と見ねぇよ」と吐き捨てる人。
入口のポスターの前で立ち尽くす僕。
みんないろいろな感情表現があってよかった。

僕に関しては少し具合が悪くなったのとなんでこんなものを観に来てしまったのかという自責の念から一駅歩きました。
埼玉県北に住んでいるのでさいたま新都~大宮間でしたが、真夏の夜中に歩くのは初でしたね。
南銀あたりで寄ってきた客引きが表情観て絶句して引き下がっていったのは少し面白かった。

そうこうしている間に電車に乗って、家に着いて自然と口から出た言葉。

「なんだったんだあれ」

本当になんだったんだろうあれ。

全編通して予告編をつなぎ合わせたような雑なストーリーもシリアスとコメディさのバランス下手さもファンタジーな世界観と登場人物の吐くセリフのアンバランスさも、許容範囲ではあったが、あの最後の15分?なのか?永遠に続くかと思ったあの展開はダメだ。
世界の山寺宏一が出てきてもあれはダメだ。
ファンサービスのつもりなのか無理矢理に出したロトの剣もダメだ。
ひどかった。
ほんとうに。

今後のドラゴンクエストが心配です。