取り戻せ語彙力

ちかごろ語彙力の低下を感じるためにリハビリと修行と暇つぶしと現実逃避のためにやってみんとしてするなり

映画「人間失格」を観た。二階堂ふみがいろいろ衝撃でしたよね。

ちょっとまえに観に行きました。

小栗旬主演で太宰治の半生というか人生というか人間性というか作家として売れてスランプに陥って死ぬまでを描いた作品でした。

蜷川作品ですので噂通りに映像の華やかさが際立って素晴らしかった半面、太宰治人間性が垣間見えた良作でした。

さて、この作品によれば太宰治という作家は極端に実体験を元にしてしか作品を作れない作家であったようで、仕方なく不倫に走っているということをしきりに言っていた。
実のところは恋愛体質でありながら手を付けた女性を切ることができずにいる人間らしさがあった。
心中して相手は死んでその出来事をそのまま作品に利用するような下衆でくずな作風なのに本人が悪人になり切れていないという苦悩がなかなか生々しく面白くあった。
はじめは太宰が3人の女性の人生をぐしゃぐしゃにしていくのかな?と観ていましたが、最終的には3人の女性をすべて立てようとして耐え切れず太宰がぐしゃぐしゃになっていくさまは恐ろしくあり同情を感じるような場面もありましたがそこに至るまでの経緯が下衆の極みですから最後には妻役の宮沢りえとともにすっきりした気分になりましたね。

編集者の悪行がネットやなんかでは最近話題になっていますが、劇中の時代の編集者・出版業界というのは、売れれば何やってもいいんだよ、という雰囲気がバリバリだったという時代背景もあってか、作品のために下衆に走る太宰を止めもせずあおるような描写もあり、それがあってあんな生き方になってしまったのかな、なんて思ったりもした。
作家になったから、ああいう取り巻きに囲まれたから、太宰はああなってしまったわけで、もっと良い環境で良識的な作品がヒットすればもっと、長生きして、もっと作品を残して、まあ足られ場はやめよう。

ひとりの作家の人生が好転して急転して落下していくさまは映像と音楽と俳優陣の美しさもあいまって素晴らしいので是非とも見てほしい作品である。

あと、R-15ってこんなにエロくていいのか…と驚きながら見てたら二階堂ふみのおっぱいが見れて、いっしゅん意識が飛びましたよね、びっくりした。

その辺のエロティックさも含めておすすめです。
もう劇場上映はほぼほぼ終わっているだろうけども、チャンスがあったら観に行ってほしいなあと思います。

終わり。