取り戻せ語彙力

ちかごろ語彙力の低下を感じるためにリハビリと修行と暇つぶしと現実逃避のためにやってみんとしてするなり

映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」を観た。エモみの煮凝りの素材である。

少し前ですが、なにかとTwitter(現X)で話題に観えた、「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」を観ました。

ひさびさの劇場映画なのでワクワクしながら挑んだところ、ところどころで涙腺を刺激されました。

なかなかの良作。

でもPG12だからその辺はご注意をというところ。

ここからはネタバレありきで話しましょう!

 

 

さて、因習村だ!バディものだ!!と、ネットに溢れる二次創作が変に愛に満ち溢れているものだから、これは本編の裏返しか?

といぶかしんで挑むとまさに!!というところ。

某漫画で「人の心とかないんか」というシーンが独り歩きしていますが、いやはや本当に人の心とかないんですかね。

因習村ってジャンルが様々だけど今作は、きっちり、誘拐して人間を素材に製品作るとかなりタブーに接触していてよいよい…コンプラとかの話をしだすとこういう要素を出せないですからね。

素直にダークな村どころか日本全体に影響のある企業の製品がまさか人間が原料とは!!

といったところに直系男子に限ると!!昭和の男尊女卑のぶちこんできて、血筋を守るために孫に手を出してる糞爺がなんやかんやと禁術を用いて幼い孫の魂を追い出して転生ムーブも嚙ましてきて本当にひどい。

やっていいことと悪いことが世の中には存在するけど、悪いことを全部踏み抜いてくる物語の黒幕である、龍賀時貞は本当にひどい。

どちらかというと物語のしかけになるキャラクターに興味を注いでしまうので悪役語りになってしまって申し訳ない。

でも本当に近年稀にみるただの畜生じゃないド級の畜生、ド畜生である時貞翁はよかったですね。

ここまで信念突き抜けた自己中心的な悪役ってちょっと刺激があってよく感じてしまう。人として、非人道をぶち抜いてるのが良い。

でもこの人について触れると物語の根幹に触れてしまうから二次創作ではあまり見かけませんね。

物語の最初から出てきて、人格を出すが最後の最後だから、この人が何かやると語るとかなり台無しになってしまうもんね。

そういったとことで、二次創作では鬼太郎の父である”ゲゲ郎”と野心に溢れて巻き込まてしまった”水木”のバディ物としての二次創作がようけみられますね。

まあ、そうなるよな、と。

あんな結末でなければ、こういった世界もあったかもしれないね、そんな暖かいファンアートがあふれています。

それはつまり本編がそれだけ壮絶ということで、暖かい作品に触れれば触れるだけ、本編の物語が深く深く傷になっていくわけです。

ゲゲ郎だって水木だって根っからの善人ではないし、たまたま利害の一致で一瞬だけ行動を共にしただけだろうに、なぜこんな…。

作品自体は鬼太郎6期(8頭身猫娘が出てくるやつ)の前日譚となっており、墓場鬼太郎のif作品にもなっておるので、上映前にぜひ墓場鬼太郎の第1話だけ見ておいたほうが良いですね。

結末の解像度が跳ね上がりますから。

いやはやもう一度見たいもんだ。

徹頭徹尾、誰も救われない話ですよ、そうでもないか?

ゲゲ郎は救われたかな、水木は記憶を失うから心にぽっかり穴が開いてしまうし。

でもそこでラストの鬼太郎との出会いで、彼の残りの人生は良いものとなったのかな。

そうだといいな。

登場人物のその後が幸せであればよいのにな、と願ってしまう作品です。

なにかの折にもっかい見ましょうね。